一般生徒の夏休みも終わり、二学期が始まった。
ところが、いきなり事件が起きる。多数の生徒が行方不明になっているという。
幸い精鋭クラスの五人は全員無事だったが、他のクラスからかなりの人数が失踪。
今日の授業は休講になり、さらに予定されていた学園祭も中止の決定が出た。
部屋に戻り今後どうするか考えていると、慌てたリィーネがやってくる。
彼女から祠の周辺で大きな衝撃があったことを聞き、急いで学院長室に集まる。
どうやら、「敵」が湖から巨大な装置で地下を掘り、祠の内部へと強引に侵入したらしい。
そこで、精鋭クラスと学院長で祠内部の探索をすることに。
最後に攻略した第四層に向かうと、充満していた溶岩が全て凍結し、最奥には第五層に繋がる大穴が開けられていた。
穴から第五層に向かおうとすると、遠征の時とは違う黒コートの人物が現れる。自らを「チルドレン」と名乗り、第五層に向かうのを邪魔するようだ。
召喚した魔物五体を精鋭クラスが相手し、学院長が黒コートを相手取る。その辺の魔物よりも強い魔物五体に苦戦するも、メーノとルーシーの機転で撃破。分が悪いと判断したのか、黒コートは逃げてしまった。
第五層に降りると、構造が無茶苦茶に破壊されていた。そして、湖の大穴を開けた招待であろう巨大な機械も放置されていた。しかし、人の気配が全くない。
念の為、二人ずつ三組に分かれて第五層、そして巨大な機械によってこじ開けられた第六層を探索することになった。
第六層に向かうフィーネとメーノ。こちらはそこまで破壊されていないが、今までの迷宮の様な構造と違い、そこはまるで闘技場のようになっていた。
そこでプレスト先生と再会するも、様子がおかしい。どうやら敵の魔術で操られているようだ。
いつの間にか降りた鉄格子に阻まれ逃げることもできず、二人は先生と戦うことに。
操られているとはいえ地が強力な先生を相手に苦戦するフィーネとメーノ。ダメ元でルーシーの使うハッキングを真似し、なんとか先生の洗脳を解くことに成功した。
学院長たちを呼び、ひとまず探索を止め先生を保健室へと運ぶ。幸い先生はすぐ目を覚まし、命に別状はないようだ。
と、フィーネのペンダントが淡く光っていた。攻略とは言い難いが、祠の夢が見れるようだ。
その夜、祠の夢を見る。
今までと違い華やかな夢。まるで大きなステージで歌い踊るアイドルのよう。しかし短く、頭に響くような声も途切れ途切れで、中途半端に目が覚めてしまう。
翌朝リィーネに相談するも、原因不明。ひとまずは様子見ということになった。
それから数日。先生と精鋭クラスで何度か祠を探索するも、第七層への扉は開くことがなく、また掠れた夢の原因はつかめなかった。敵の動きもない。
失踪した生徒も依然行方不明のまま。学校内は暗い雰囲気に包まれていた。
そんな中、学院長が中止した学園祭の開催を決め、その実行委員長として、過去に廃れた町をお祭りで復興させた実績があるフィルに白羽の矢が立った。
フィル自身お祭りごとがとても好きで、夏明けに学園祭の中止を聞いたときはこの世の終わりの様な顔をしていたので、実行委員長になるのを快諾。
顧問としてプレスト先生、実行委員として武術大会で知り合った1年のレヴール、3年のカルマート、そして話を聞いて参加しにきた2年のアリーナが参加し、準備が始まった。
クラスごとに出し物をすることになり、精鋭クラスは話し合いの結果、それぞれなにかしら楽器や歌唱の経験があるということで演奏をすることになった。
練習は順調に進……んでいたのだが、フィーネの歌唱だけ直前になっても全くうまくいかない。音痴ではないはずなのに、なぜか合わない。
と、夢のことを思い出したフィーネはリィーネに相談。話を聞いたカノンとチルカを入れた4人で祠に向かう。
ちゃんと守護者を倒せば完全な形で力を得られると考え、祠の制御装置に備わった守護者との再戦機能を使い、第五層と第六層の守護者を第六層の闘技場に出現させる。
特訓も兼ね、フィーネ1人で強大な敵2体を相手にするということでかなり苦戦するも、2体の特性を生かして辛くも撃破。夢とまではならなかったが、完全な力を得る。
フィーネの歌唱も完璧になり、演奏はバッチリ。あとは当日を迎えるだけとなった。
そして迎えた学園祭当日。
フィルは実行委員長として奔走し、シオンは相変わらずどこかへ行ってしまったので、フィーネ、メーノ、ルーシーの3人で自分たちの番まで学園祭を楽しむことになった。
露店や各クラスの出し物を巡り、午後。ついに自分たちの番になった。
講堂に向かい、すでに待っていたシオン、なんとか委員の仕事を済ませて来たフィルと最後のリハーサルをする。緊張こそあれど、完璧と言える状態に5人は満足。
ついに本番の時。
精鋭クラスのバンド「E・C・V」の演奏が始まる――
とその時、突然大きな爆発音が学園中に鳴り響く。
直後、プレスト先生が学院中に向けてアナウンスをする。「学園敷地内にて、何者かによる攻撃が行われた模様です」と。
犯人は明白。教頭たち「敵」だろう。一体どこに潜んでいてなにをしたのかは定かではないが。
学園内が混乱に陥る中、頑張って準備してきた学園祭を台無しにされたフィルが激昂。暴走しかねないのを4人でなんとか抑えるも、フィルは崩れ落ち、泣いてしまった……。